秋の帯締めコラム「なぜ帯締めは「曲尺」なの?」

こんばんは!
もたはんです。
やっと秋らしくなってきて
もたはんにも「やっと着られるようになってきた!」と
お客様がお越しくださるように。
酷暑の夏、お疲れ様でした。
着物まわりの小物を見ていると、
「あれ?」と思うことがいくつもあります。
そのひとつが「帯締めの単位」
実は着物の反物は「鯨尺(くじらじゃく)」で測るのに、
帯締めは「曲尺(かねじゃく)」で表されています。
なぜ同じ着物の世界で、わざわざ違う単位を使っているのでしょうか?
答えは、産業のルーツの違いにあります。
- 反物=仕立ての世界→ 身体寸法に合わせやすい「鯨尺」
- 帯締め=組紐や工芸の世界→ 道具や織機の基準が「曲尺」
つまり「着物は布の文化」「帯締めは工芸の文化」
その背景が物差しに表れているのです。
文化の成り立ちが違うので
例えば「三分紐」の三分を鯨尺で測ると若干の狂いが出てしまいます。
鯨尺、曲尺という文化は廃れつつありますし
センチへの統一は和裁の世界でも進んでいます。
ただ鯨尺を使う時のなんとも言えないカッコ良さは
呉服屋なので感じずにはいられません(笑)
今回は「帯締め=曲尺」というお話でした。
普段のお買い物やコーディネートの時に、
ちょっと思い出していただけると嬉しいです。
もたはんにもこの秋の新作帯締めがちょっとずつ入荷しています。
ぜひのぞいてやって下さいませ。