暑いのに浴衣が着たくなるその理由。
毎日暑いですね。
あっという間に梅雨が明けて夏・到・来!
暑さが増してくると
「こんな暑い日に着物なんて無理。」
そんな声を聞くことも少なくありません。
確かに、今の日本の夏は昔より
いやほんの10年前よりずっと暑くなりました。
気象庁のデータで見ると、
日本の夏の平均気温は2016年と比べて、
直近ではおよそ2℃近く高くなっています。
それなのに。
毎年この季節になると、「浴衣が着たい」と思う人が増えます。
暑いのに。
汗をかくのに。
なぜでしょう?
実は、浴衣を着る理由として
もはや「涼しいから」
はあまり理由になっていません。
花火大会、を楽しむため。
夏祭り、を楽しむため。
ビアガーデン、を楽しむため。
夏の、夏にしかないイベントを楽しむために
今、多くの人は浴衣を着ています。
「涼しい」という「機能」から
「楽しむ」という「体験価値」に
浴衣の役割は変化しました。
浴衣を着るだけで、その日が少し特別な一日に変わります。
普段はTシャツと短パンで出かける場所でも、
浴衣を着るだけで景色まで違って見えます。
同じ夜風なのに、なんだか心地よく感じたり。
いつもの屋台なのに、ちょっと美味しく感じたり。
(さすがにそれはないかもしれませんw)
浴衣には、不思議とそんな力があります。
考えてみれば、私たちは快適さだけで服を選んでいるわけではありません。
真冬にコートを着ても寒い日はあります。
結婚式では、動きやすさよりもフォーマルな服や靴を選びます。
好きなブランドの服なら、多少暑くても寒くても着たいと思うことがあります。
それと同じように、
浴衣も「機能」だけで選ばれるものではありません。
気分を変えてくれる。
季節を感じさせてくれる。
思い出をつくってくれる。
そんな価値があるからこそ、暑くても着たくなるのでしょう。
もちろん、昔に比べて日本の夏は過酷になりました。
だからこそ、昔と同じ感覚で「7月・8月だけ」と考える必要もないのかもしれません。
最近では、5月から9月〜10月頃まで暑い日が続きます。
だったら、無理に真夏の昼間だけ着るのではなく、
夕方からのお出かけに着る。
涼しい室内で楽しむ。
旅行先で着る。
そんな楽しみ方があってもいいと思います。
浴衣は、「我慢して着る服」ではなく、「夏を楽しむための服」。
着る時間や場所を少し工夫するだけで、ぐっと快適になります。
暑いから着ない。
それももちろん正解です。
でも、
暑いからこそ、季節を楽しみたくなる。
そんな気持ちも、きっと同じくらい自然なこと。
だから毎年、多くの人が浴衣に袖を通したくなるのでしょう。
暑い夏だからこそ。
浴衣には、エアコンでは味わえない
"季節の豊かさ"があるのかもしれません。
若女将は夏祭りの民踊が好きで
見かけると踊り出したくなるそうです。


